用語集・5

A.R.M.S


 ASTシリーズに組み込まれたAIの名称。


 あくまでもASTシリーズに組み込むことを目的として開発された。

 またこのAIは完全個人依存するパーソナリーAIであり、使用者(搭乗者)の意向で変遷、進化、退化がありえる。

 世の中では利便性に特化したAIとして開発された。その為、世の中に浸透していったのはあくまでも単一AIを母体とした個人依存ではいポピュラーAIとして存在している。

 蓄積データが共通としてアルゴリズムも共通化させていくことでシステム保守性とすぐに手が出せる利便性から、利用者を稼いだことによりメインとして扱われるようになった。数は力である。

 過去でも個々で人の性質は違うものとしていることはあったため、人依存にするAIはいくつも開発された。しかしながら開発の煩雑さや保守性の難化から頓挫を繰り返していた。

 個人依存の執事よりもマニュアル特化の店員の方が取り組みやすかっただけのことではあるが、人依存のAIは余程の金持ちや限られた立場、または趣味の世界に留まっているのが実情である。


 A.R.M.Sは以下の総称から頭文字で命名された

 ・Adapt

 ・Reinforce

 ・Magnificent

 ・Spirit

 命名した博士曰く、知とは武器であり介添えとなる第三の腕である。とのこと。


 余談ではあるが、次のようなエピソードが元であるともされていた。

 インタビュア「博士、その命名では軍用などに転用が危ぶまれないでしょうか」

 博士「愚かな。お主らマスメディアなら心得ていることであろう。ペンは剣よりも強し」

 インタビュア「ええ、それはもちろん存じておりますし我々の存在意義です。それとこのAIとなにが?」

 博士「ならばわかるであろう。力なき剣は弱し、知なきペンもまた弱し、じゃ」

 博士「剣を扱う上で鍛錬が強さを増すように、ペンを扱う者にも知の鍛錬は欠かせぬ」

 博士「知なきペンなど無力で、無軌道な知は時として暴力と一緒じゃ。歴史もそれを証明しておる」

 博士「故に知とは武器である。今更転用でとやかく言ってても何もならぬ」

 インタビュア「作ったあとは知らぬ存ぜぬではあまりにも無責任ではないでしょうか」

 博士「生み出すことは罪か? 否、断じて否! 生み出さぬことによる衰退ほど恐ろしいものはない」

 博士「されど誰かしら生み出せるのもまた事実。これへのリスク啓蒙はするつもりでもおるが、諸君らからの注意への働きかけにも期待しておるぞ」

 博士「その大いなる知(ペン)でもって、どこに与することなく、いかんなくの」


 機体内では立体投影することができる。投影するパターンは何十種類も予定されている。その中には一昔前に新たな可能性とともに完全フリーとして生まれたボーカロイドの灯歌マヤもエントリーしている。