漫才・引越し

ブータ(仮)


 トボザン(トボ)とツムタ(ツム)のコンビでお送りします。


トボ「はい、どうもーよろしくおねがいしまーー」


ツム「どうも、ブータ(仮)です」


トボ「いやあ、ツムタさん、もう季節は春ですね」


ツム「そうですね」


トボ「この季節となると新生活や異動が始まりますね」


ツム「そうですね」


トボ「新生活や異動となるとあるのが引越し」


ツム「ありますね」


トボ「僕も引っ越しいいなーなんて見てたりしますね」


ツム「見てるって何を」


トボ「賃貸情報」


ツム「引越しは?」


トボ「しません」


ツム「予定は?」


トボ「ありません」


ツム「あれよ! 話ここで終わっちゃうだろ!」


トボ「引越しはしてみたいなとの気持ちはあるので引越し情報見たりするんですが」


ツム「うん、まあいいから続けて」


トボ「僕は引越し選ぶときに必ず見てるところがあるんですよ」


ツム「どんなところです?」


トボ「部屋の間取りです」


ツム「はいはい、大切なところですね」


トボ「その時、僕は絶対選ばない条件てのがあるんですが、何だと思います?」


ツム「何って1部屋のところは選ばないとか?」


トボ「ぶっぶー、違います」


ツム「わかんない、何よ」


トボ「正解はLDの部屋は借りない、です」


ツム「LD? なんで? あった方が良くない?」


トボ「いやいやいやいや、僕は無理です」


ツム「なんでよ」


トボ「だって、LDってリビングデッドがいるってことでしょ、1LDとか書かれてたら1リビングデッドがいますとか怖くて借りられないです」


ツム「リビングダイニングだよ!」


トボ「本当ですかー?」


ツム「本当だよ! むしろそれしか言わないから」


トボ「リビングダイニングでゾンビがお待ちしています」


ツム「部屋入ったらゾンビが1体いますなんてあるわけないだろ、怖すぎるわ」


トボ「ゾンビたちの魔の手から部屋を取り戻す過酷なミッションが今始まる!」


ツム「そんな部屋捨ててしまえ!」


トボ「それだけ気にするってことですよ」


ツム「そもそもLD付いてたらキッチンもあるんだよ、Kのキッチンどこいったんだよ、1LDKとかなんなわけ?」


トボ「音が聞こえます」


ツム「音? なにそれ」


トボ「2LDKは2回リンドンカンとチャイム音が聞こえてきます」


ツム「リビングダイニングキッチンの略! チャイムならせめてキンコンカンだろ、リンドンカンなんて鳴らすチャイムないから」


トボ「Kと言えばあれです、新生活する人で友達の家行くときはDKには気をつけたほうがいいですね」


ツム「またなんで?」


トボ「鈍感な人が住んでいるので、遊びに行っても気づいてもらえないことがあります」


ツム「DKはDONKANの略じゃない! それに部屋の中いて気づかないとか鈍感のレベルじゃないからな」


トボ「部屋の面積が1平方Kmあるので端と端にいる人はきづかないですね」


ツム「それは部屋の作りの問題だ! 1平方Kmとかそんなにあってどうすんだよ」


トボ「奥からゾンビがやってきます」


ツム「それはいいんだよ」


トボ「1Km先のドアまで荷物取りに行こうものなら、戻ってきたときには熱々のご飯もとっくに冷めてたり、ご飯できたわよーなんて言われても何かな? 「ラーメン」、ラーメン? 辿り付く時には麺のびてますよーなんて」


ツム「もういいよ、それにご飯できてるとかいきなり誰が来てんだよ」


トボ「なんてこともあります」


ツム「ねえから、LDKはわかったから、それじゃあ1Rは?」


トボ「1Rは1ラウンドしか住めません」


ツム「Rはラウンドじゃないから! 1ラウンドって3分しか部屋にいられないなら意味ないだろ」


トボ「ピピー! 3分経ちましたので退去お願いしますって毎回大家が来てですね」


ツム「毎回言いに来る大家が大変だわ」


トボ「実は大家は家から一歩も出てなくて、その大家は幽体離脱した大家でした」


ツム「んなわけあるか! さっきからちょいちょいホラーネタ入れてくるのなんなの?」


トボ「引越しの話ですよ」


ツム「引越しでホラーはねえから」


トボ「今やってる都市蔓延ゾンビたちからの生還ものから、自分の部屋だけで無限に湧くゾンビを撃退するゲームに引っ越すか」


ツム「それは引越しって言わないから勝手に好きなゲームやってろよ」


トボ「人知れず世の中へ溢れださんとするゾンビを一人きりで撃退していく孤独なヒーローのお話」


ツム「ゲームの話はいいんだよ」


トボ「それなんで部屋にはセキュリティのしっかりしたところに住みたいなと」


ツム「結論そこかよ、もういいよ」