漫才・あいうえお作文

ブータ(仮)


 トボザン(トボ)とツムタ(ツム)のコンビでお送りします。




トボ「どーもー」


ツム「どうも、ブータ(仮)でーす」


二人「よろしくお願いしまーす」


トボ「最近何かと話題になるあれありますよね」


ツム「え? なに急に、あれって」


トボ「あれですよ、あれ」


ツム「あれじゃわかんねえよ」


トボ「もうやだなあ、あいうえお作文ですよ」


ツム「なんにも話題になってねえよ」


トボ「もうやだなあ、あいうえお作文ですよ」


ツム「二度も言わなくていいんだよ!」


トボ「聞こえてなかったみたいだから」


ツム「聞こえてたわ」


トボ「それは置いといて」


ツム「置いとくなよ! 俺が悪いみたいじゃねえか」


トボ「あいうえお作文ありますよね」


ツム「人の話聞かねえなあ、まあ、あるね」


トボ「最近はまってまして、考えてきたんですけど、ちょっと聞いてくれます?」


ツム「おお、いいよ、いいよ、言ってみ」


トボ「そんなに渋られたら言い辛いですよ」


ツム「渋ってねえよ、早く言えよ」


トボ「エイ、アイ、ユー、イー、オー」


ツム「それただのローマ字読みじゃねえか!」


トボ「あいうえおを頑張って考えてみました」


ツム「頑張る方向間違ってるから! 作文なんだから何かをお題に文作れよ!」


トボ「エイは魚、アイはラブ、ユーはお前、イーはショッカー、オーは掛け声」


ツム「おかしいだろ! ツッコミどころ多すぎだよ!」


トボ「あ、イーもオーも掛け声でした」


ツム「そこじゃねえよ! 作文にすらなってねえから!」


トボ「なかなか難しいですね、あーいうーえおー作文て」


ツム「バイキンマンになってんぞ! はーひふーへほーのリズムで言ったよな今」


トボ「でもそんな難しいところがいいんですよね、アンパンマン作文」


ツム「あいうえお作文! その作文だとジャムおじさんの話になるだろ、はまってるなら覚えろよ!」


トボ「わかりました、作文いきますね」


ツム「最初からしろよ」


トボ「傑作、できる気分」


ツム「逆だよ! そうじゃない」


トボ「できる気分、傑作」


ツム「そっちの逆じゃねえよ! しかもお前、作を一つで扱ったろ、あいうえお作文は頭文字の一字から作っていくんだよ」


トボ「いい出来だと思ったんですが」


ツム「だめに決まってんだろ!」


トボ「それならミカンでいきます」


ツム「なんだよ、ミカンで作文って」


トボ「ミんなで、カみしめる、ンジャジジャ島」


ツム「ンは前の字とくっつけろ! しかも最後のアフリカ大陸の横にある小さい島の名前じゃねえか」


トボ「んじゅじゃじゅ島」


ツム「さっき言えたのたまたまかよ!」


トボ「じゃあ、ネコでいきますね」


ツム「大丈夫か?」


トボ「任せてください」


ツム「……」


トボ「ネてるよ、コの子」


ツム「え? 誰? 誰が?」


トボ「隣のお子さんのシンジ君、気づくと寝てるんですよ」


ツム「知るか! お前のお隣さんとか誰も知らねえよ、もっとわかるのにしろよ」


トボ「でしたら次はイヌで」


ツム「頼むよ」


トボ「イい味出てるよス、ヌーピー」


ツム「ヌの切れ目がおかしい! スヌーピーだろ! 決してス・ヌーピーではない!」


トボ「喉まで出かかったんですけどね、惜しかった」


ツム「もう言ってるよ! しっかり口に出して言ったから、なに思い浮かばなかったみたいにしてんだよ」


トボ「えーと、次はウサギで」


ツム「なんなのお前、さっきからミカンやらネコやらイヌだウサギだって」


トボ「あいうえお作文にと思いまして」


ツム「例えば日ごろの感謝を込めてアリガトウで作ってみましたとか、そういうのやってみたら?」


トボ「日ごろの感謝を込めてウシで言います、ウまじゃないよウシだよ、シかじゃないよウシだよ」


ツム「そこじゃねえよ! 確かにウシには感謝するけど、感謝すら込めてねえだろ!」


トボ「感謝の気持ちとしてウシの知名度を上げてもらおうかと」


ツム「有名にするとかのレベルじゃねえから! ウシなんて全世界レベルの存在だぞお前」


トボ「次はアリです。 アりじゃない? リアリィ?」


ツム「英語混ぜんな! さっきのウシもそうだけど、お題を文の中にいれんな」


トボ「まあまあでしたね」


ツム「まあまあなわけあるか! お前本当にあいうえお作文考えるつもりあったの?」


トボ「さらさらないです」


ツム「ないのかよ!」


トボ「くろうして考えはしました」


ツム「どっちだよ! 考えたならあったんじゃねえか!」


トボ「ぶんかじん気取ってみました」


ツム「ここで作文を答えんのかよ! もういいよ」




二人「ありがとうございましたー」