漫才・結婚の挨拶

オニギリパン


 川義(かわよし)と我部(かべ)のコンビでお送りします。

 おかしい。急増コンビ且つスポット参加だけのつもりだったはずが…




川義「どうもー」


我部「オニギリパンです、よろしくお願いします」


川義「暑さももう過ぎようとしていますね」


我部「そうですね、ちょっと前まで暑かったのが嘘みたいですね」


川義「夏がおわり、いよいよ次の季節となれば色々な秋が顔を出します」


我部「はいはい」


川義「スポーツの秋」


我部「いいですね、秋晴れの下での運動」


川義「食欲の秋」


我部「秋ならではの旬な食材を贅沢に味わう楽しみ、いいですね」


川義「プロポーズの秋」


我部「そうそう、夏の暑さにやられた後に迫られるようにしてしまうって、そんな秋あるか!」


川義「プロポーズの秋」


我部「二度もノリツッコミさせようとすんな!」


川義「それなんで僕もプロポーズを終えた後の結婚の挨拶を練習しようかなって」


我部「なにしれっと流そうとしてんだよ! しかも後ってなんだよ! 後って、プロポーズですらないのかよ」


川義「プロポーズは練習しすぎたからもういいかなって」


我部「今までどんだけそこ練習したんだよ」


川義「それなので普段練習しない結婚の挨拶をしてみたいんですよ」


我部「プロポーズの練習も普段からしないから、それにプロポーズも結婚の挨拶も相手がいないとだよ」


川義「そこはほら急にパッと現れるかもしれないじゃないですか」


我部「そんなのどこから出てくるんだよ」


川義「それはもちろん、海から」


我部「あなたのお相手は海からいらしたとっても可愛い人魚姫です、ってそんなことあるか!」


川義「いえ、ゴジラです」


我部「人ですらない! プロポーズすらどうやるんだよ!」


川義「結婚してください」


我部「普通じゃねえか、ギャオーンとか叫ぶだけだぞ」


川義「OKですね、ありがとう」


我部「ありがとうじゃないから! どこをどう受け取ったら雄たけびがOKになるんだよ」


川義「OーたKーび」


我部「強引過ぎるわ! なんだOたKびって」


川義「まあ、そんなわけで相手が現れてもいいように練習しましょう」


我部「しましょうって先進むんじゃないよ、相手と相手の気持ちも大切なんだからな」


川義「じゃあ、僕お父さんやるんで」


我部「お前がお父さんやってどうすんだよ! 俺がお父さんやるからお前は挨拶しにこい」


川義「ガラガラ、ガチャ、ウィーーン【納得いかない感じで首を捻りながら他のタイプのドア開けも行なう】」


我部「何してんの?」


川義「いや、ちょっと納得するドアが見つからなくて」


我部「ドアなんてなんでもいいんだよ! もういいから挨拶することからして」


川義「お父さん! 娘さんを持ち上げてください!」


我部「うちの娘は器量よし、何よりとても可愛いぞって、持ち上げるってなんだよ!」


川義「やだなあ、こうやって持ち上げるんですよ【バーベル上げ】」


我部「物理的に持ち上げるのもないから! 挨拶しろよ!」


川義「お兄さん、娘さんを僕にください」


我部「お兄さんの子どもなわけないだろ! 誰に挨拶してんだよ」


川義「お姉さん! 結婚してください」


我部「最低じゃねえか! 本人置いといて姉にプロポーズするとか人として最低だよ」


川義「練習ですから誰にでもプロポーズしますよ」


我部「結婚の挨拶でなんて練習してんだよ! 今は決めた相手だけにしろ!」


川義「お母さん、何もなかったようにお父さんの気を逸らしてください」


我部「気を逸らさせてどうすんだよ! 結婚の挨拶してんの!」


川義「おじいさん、ゴジラに飛び乗らないでください」


我部「おじいさん! 危険だからだめですよ、じゃなくて結婚の挨拶しろ! え? もしかして娘さんゴジラ?」


川義「おばあさん、海水浴びて尻尾出さないでください」


我部「おばあさん! あなた人魚だったの、じゃなくてどんな結婚の挨拶だよ!」


川義「ふう、家族への結婚の挨拶は大変ですね」


我部「なに終わらせてんの、結婚の挨拶できてないから! しかもどんな家族構成だよ」


川義「いい練習になりました」


我部「なんにも練習になってない! むしろ引っ掻き回しただけな」


川義「全国のプロポーズに踏み切れない皆さん! 結婚の挨拶は僕に任せてください!」


我部「任せられるか! もういいよ」