漫才・成人の日

オニギリパン


 川義(かわよし)と我部(かべ)のコンビでお送りします。

 もうスポット参加の名残すらないな。

 現時点で他のコンビ・トリオ入れても二番目の漫才数になってるし




二人「どーもー」


川義「川義(かわよし)です」


我部「我部(かべ)です」


川義「二人合わせてオニギリパンです」


二人「よろしくお願いしまーーーす」


川義「寒さが益々厳しくなってきましたが頑張らないとですね」


我部「そうですね」


川義「世の中にはお子さんを持ったご家族の方々が多くいらっしゃいます」


我部「そんなご両親にはお子さんの節目となるイベントを見守りたいでしょう」


川義「はいはい、例えば」


我部「入園式」


川義「ありますね」


我部「卒園式」


川義「はいはい」


我部「風呂敷」


川義「荷物をたくさん入れて持ち運べるのは便利ですね」


我部「入学式」


川義「成長したなあ」


我部「卒業式」


川義「新たなところへ」


我部「漆器」


川義「かぶれますけど醸し出す艶がいいんです」


我部「成人式」


川義「言わずもがなの晴れ舞台」


我部「入社式」


川義「期待を胸に」


我部「座敷わらし」


川義「あら可愛いらしい」


我部「ツッコミなさいよ! なんなのさっきから貴方」


川義「え?」


我部「え? じゃないよ」


川義「いきなりどうした」


我部「どうしたのはこっちの台詞だ」


川義「おいおい落ち着きなさい、そろそろ高血圧にも気をつけないといけない」


我部「それは置いといていいから、それよりさっき何言ったか分かってる?」


川義「普通のことかな」


我部「普通じゃないから、貴方、私が風呂敷って言ったらなんて言った?」


川義「「荷物をたくさん入れて持ち運べるのは便利ですね」」


我部「それ! 子どもの大切なイベントに風呂敷なんて出てきたらなんでだよってツッコミなさいよ!」


川義「子どもに風呂敷があってもいいじゃないか」


我部「風呂敷を持ってることとイベントは違うの! それに漆器って言ったらなんて言った?」


川義「「かぶれますけど醸し出す艶がいいんです」」


我部「じゃないから、子ども全く関係ないんだからツッコミなさいよ! 最後の座敷わらしは?」


川義「「あら可愛いらしい」」


我部「自分の子どもですらないだろ! ツッコまなくてどうすんだよ!」


川義「なんか今日はやけにパチパチしてるな」


我部「それ言うならガミガミだろ! 静電気じゃあるまいし待ってましたとハジけないわ!」


川義「そうそう、服脱ぐときなんてこんなにかってくらいパチパチしちゃうからな」


我部「静電気はどうでもいい! 今日は子どもにとって大切な日の成人の日なんだよ、せっかくその話しようとしたのに」


川義「静電気が一人前になったら危ないだろ」


我部「静電気がパワーアップする話じゃなくて成人の日だよ!」


川義「うちの子もついに成人を迎えてこれから人間として生きていくんだ」


我部「元から人間だ!! 成人してなくても人間だから! 人じゃない何かみたいなこと言わないの」


川義「これから益々グローバルな世の中なので胸を張って名乗ってほしいですね」


我部「そうですね」


川義「今日から僕らは地球星人だよ、火星人さんよろしくねみたいに」


我部「その星人じゃないから!」


川義「いやいや僕らはこの地球を代表する人の一員としてだね、その自覚を忘れることなく太陽系へと出なくてはね」


我部「スケール! 規模の話がおかしいから」


川義「これから何かあったら親の庇護もなく自分たちの責任でもって成し遂げていかないといけない」


我部「そうですそうです」


川義「今までは親の責任の下、こどもの税を納めていましたがこれからは各自が税を止めることです」


我部「止めてどうすんだよ」


川義「No税の意識を持ってぜひ国会前のデモへ」


我部「やめなさい! なんて勧誘してんだ、まだ分かってない子達にそんな騙すようなことしちゃだめでしょ」


川義「どうせ成人直後によく分からない高額商品購入させられるならこれくらい騙しても変わんないでしょ」


我部「そういう問題じゃないから! 成人の皆さんはおかしなことに引っかかることなくしっかり見極めてくださいね」


川義「そういえば」


我部「なに?」


川義「可愛いって言ったけど座敷わらしって見たことない」


我部「その話は終わってるわ、もういいよ」


二人「ありがとうございました」