漫才・コンビニ

ブータ(仮)


 毎度おなじみのトボザン(トボ)とツムタ(ツム)のコンビでお送りします。

 コント漫才の形が毎回中途半端なのはいただけないと思いつつもレベルアップできず。

 もっと腕上げられたらをモットーに続けるか。




トボ「どーーーもーーーー」


ツム「ども、ブータ(仮)です」


トボ「ありがとうございました!」


ツム「終わってない終わってない、始まってすらない」


トボ「最近思うことがあるんですよ」


ツム「おう何よ」


トボ「よく芸人の漫才ネタでコンビニってあるじゃないですか」


ツム「まあ鉄板だからね」


トボ「あれやってみたいんですよ」


ツム「いいじゃん、やろうよ」


トボ「けどあれですよね」


ツム「なに?」


トボ「コンビでコンビニネタって安直ですよね」


ツム「うるせえよ! やりたいのかバカにしたいのかはっきりしろ!」


トボ「やりますよ、僕お客さんやりますね」


ツム「わかった、店員するわ」


トボ「【一箇所みた後に目を逸らして周りを伺う挙動不審な行動を繰り返すジェスチャー】」


ツム「何してんの?」


トボ「おでんを買いたいけど店員見つからなくてどうしていいか分からない客」


ツム「設定が細かすぎんだよ! やるなら普通に入ってくるただの客やれ」


トボ「ただの客ですか?」


ツム「そう」


トボ「分かりました」


ツム「頼むよ」


トボ「ウィーン【自動ドアを開けるジェスチャー】」


ツム「いらっしゃいませ」


トボ「お願いしますよ」


ツム「なんですか急に」


トボ「商品ただで持って行かせてくださいよ」


ツム「なんてこと頼んでんだよ! ただの客ってただにしてほしい客ってことじゃねえから!」


トボ「はじめまして、僕たださんにお世話になっている客って言います、珍しいですよね」


ツム「コンビニで自己紹介始めんな! それもただの客だけどそうじゃない! 混乱させるな!」


トボ「ここは注文の多いコンビニですね、食べられちゃうんでしょうか」


ツム「人里離れた料理店じゃねえよ!、普通にやってくんない?」


トボ「けどしたことないのはわかんなくて」


ツム「コンビニは行ったことあるだろ! まさかないの?」


トボ「まさかあ、あるに決まってるじゃないですか」


ツム「なんでそこで嘘吐いたんだよ! 分かってるならそうしろ!」


トボ「話進まないんで僕店員やります」


ツム「いきなり変えんな! てか進まない理由はお前のせいだろ!」


トボ「いらっしゃいませー」


ツム「まだ店にも入ってない」


トボ「お客さん困ります」


ツム「なによ」


トボ「コンビニで寝泊りされては困ります」


ツム「居座り続けている奴にいらっしゃいませなんて言うな! さっさと追い出せそんな客」


トボ「でも分かります、うちのコンビニは衣食住全て網羅しておりますから」


ツム「むしろ欠けてたら困るだろ! 住処として店舗のないコンビニって、それもう通販じゃん」


トボ「あちらのお客さんはかれこれ十年になるほどのコンビニ住まいをされております」


ツム「それもう客でもなんでもなくただの個人経営の家族だろ」


トボ「五年前までここにはコンビニどころか建物もありませんでしたけどね」


ツム「ホラー入れんな! てかなんでお前は五年以上前からいること知ってんだよ!」


トボ「お化け屋敷併設コンビニがこれからの流行です」


ツム「なるか! なあこれコンビニいらなくない?」


トボ「酷い! コンビニがなくなったらどれだけの人が困ることか」


ツム「そこじゃねえよ! ネタがコンビニ関係ねえって言ってんだよ!」


トボ「わかりました、やりましょう」


ツム「頼むよ、ウィーン【自動ドアを開けるジェスチャー】」


トボ「いらっしゃいませー」


ツム「なに買おうかな、コーヒーと肉まん買ってくか、これお願いします」


トボ「はい、二つで300円になります」


ツム「こちらで」


トボ「ありがとうございました」


ツム「ボケろよ!」


トボ「ありがとうございました」


ツム「今じゃねえよ! さっきの流れの中でボケろよ! コンビニネタになってねえんだよ!」


トボ「店員でボケるのきつくないですか?」


ツム「お前がやりたいって言ったんだろ! 肉まんじゃなくてポケモン渡しちゃいましたとかさ」


トボ「うわ、酷いですね」


ツム「うるせ! お前がボケないからこんなしょーもないこと言ってんだろ!」


トボ「あ、すみません、ツムさんは一組前のお客さんかと思ってそちらでボケました」


ツム「なんだよ一組前って! 俺とお前しかいないだろ!」


トボ「おかしいと思ったんですよね、ボケてもなんの反応もないなあなんて思ったんですが」


ツム「反応ないも何も俺ですらねえなら気づけよ! そもそも誰だよそいつ」


トボ「かれこれコンビニに住んで十年になるこちらのお客さんでした」


ツム「それさっきのホラーじゃねえかよ、さっさと帰ってもらえ」


トボ「天国に?」


ツム「そうだよ! そう! 分かったら早く進めろ」


トボ「あのすみません、あちらの方が天国に帰った方が良いと仰ってまして」


ツム「その勧めろじゃねえよ! コンビニネタでしょ今! その話進めたいの!」


トボ「あのお、今から僕たちと一緒にコンビニネタやりますんで準備してくださいね」


ツム「その人混ぜて進めようとすんな! 俺! お前! それだけ!」


トボ「わかりましたわかりました」


ツム「頼むよ、ほんと」


トボ「やりますやります」


ツム「ウィーン【自動ドアを開けるジェスチャー】」


トボ「お客さんすみません」


ツム「はい?」


トボ「今、ポケモンと間違えて肉まん温めてました」


ツム「間違ってねえから! もういいよ」