漫才・面接

ブータ(仮)


 毎度おなじみのトボザン(トボ)とツムタ(ツム)のコンビでお送りします。

 今回はコント漫才じゃなかろうか。

 次できたらしゃべくり漫才に、、、そろそろトリオ漫才も思いつきたい。





トボ「どうもー」


ツム「どうも」


トボ「オニギリパンです」


ツム「ブータ(仮)だよ! 勝手に他のコンビ名持ってくるな!」


トボ「ブータ(仮)です」


ツム「よろしくお願いします」


トボ「思うんですよね」


ツム「思うって、突然どうしました」


トボ「面接って大変だなと」


ツム「え? 本当にどうしました」


トボ「いえね、就職活動だの新しいバイト応募だと頑張る時期あるじゃないですか」


ツム「そういう時期もありますね」


トボ「そうすると必須なのが面接です」


ツム「それは採用する側が人となりを見るためにも避けて通れませんからね」


トボ「その大変な面接について僕なりにアドバイスをしようかと思いまして」


ツム「おっ!! いいじゃないですか」


トボ「ちょっと手本見せながらワンポイントアドバイスしてきますね」


ツム「分かりました」


トボ「コンコンコン」


ツム「はい、どうぞ」


トボ「失礼します、本日はよろしくお願いします」


ツム「よろしくお願いします」


トボ「えー、本日は弊社に応募いただきましてありがとうございます」


ツム「お前が面接官なのかよ! なんで最初に中で待ってないんだよ!」


トボ「ちょっと遅れちゃった」


ツム「遅れちゃった、じゃねえよ! 可愛くもないんだから変なことすんな! 遅れたならそのことを最初に詫びるくらいしろよ」


トボ「浴びろだって? 罵声を浴びろなんて何てこと言うんだね君は!」


ツム「詫びろだよ! 誰が罵声の話なんかしたんだよ、遅れたらお詫びの一言くらい言うだろ」


トボ「さーせん」


ツム「ふざけてんのかよ! 面接官だったなら尚更やばいやつだろ、それで何で遅れたのよ」


トボ「アットホームな職場だけに会社って家みたいなものじゃないですか、家にいたらちょっとくらい遅れてもいいかなって」


ツム「アットホームの意味を悪用するな! 会社は会社だからけじめはしっかりして」


トボ「じゃあ、まずは自己紹介してもらっていいですか」


ツム「はい、ツムタです、埼玉に住んでます、趣味はスポーツ全般、体を動かすことです」


トボ「えーと、字が遠くてよく聞こえなかったからもう一度いいかな」


ツム「声だろ! 字が遠いってなんだよ! てか声が遠いとか電話中かよ! 声が小さいとか言えよ」


トボ「もっとハキハキ喋ってもらっていいですかね」


ツム「喋ってるよ! むしろつっこんでるから煩いくらいだろ! お前の耳どうなってんだよ」


トボ「?【耳を済ませるジェスチャーの後に気づくジェスチャー】あ、耳栓してました」


ツム「なんで耳栓してんだよ! 面接官なのにおかしいだろ」


トボ「うるさかったらいやだなと思って」


ツム「人の話聞く気がねえなら面接やんなよ!」


トボ「やりますよ!」


ツム「やれよ! なんで逆ギレしてんだよ」


トボ「えー何々? 資格を持っていますと?」


ツム「はい、車の免許ですけど」


トボ「偶然ですね、僕も二つ持ってますよ、しっかり前が見えてます」


ツム「それ目による視覚だろ! 偶然でも何でもねえよ、健康に生んでくれた親に感謝しろ」


トボ「ただちょっと目が付いてない後ろ見えないってだめなところも持ってますけどね」


ツム「普通だよ! もうその死角はいいんだよ! 面接進めろ!」


トボ「ええと、受けに来た理由が日常過ごす為のお金を稼ぎたくて、ですか」


ツム「すいませんね、ですけど遊ぶのにもお金かかるんですよ」


トボ「まったく最近の子たちの遊びと言ったらお札をデコレーションしてSNSにアップだとか」


ツム「その遊ぶじゃねえよ!」


トボ「我々のときは札束を持ってビンタするのがせいぜいでしたね」


ツム「いつの時代だよ! やってることのレベルは大して変わんねえだろ! それにもっと前だろそれ」


トボ「ましてや今度の遊びといったらあれだ、お札の肖像画を換えて遊ぶって言うんだから悪質だな」


ツム「それ新紙幣発行だろ! 遊びですらねえよ!」


トボ「おほん、えー余計な話をして混乱させないように」


ツム「お前の所為だよ! 俺なんにも言ってねえから!」


トボ「なんですかその態度、これが就職における面接だと分かってますか?」


ツム「分かりましたよ、え? 今の就職活動の面接だったの? バイトの面接だったじゃん」


トボ「決まってるじゃないですか」


ツム「特に決めてなかったけど、志望理由が完全にバイトのそれだったよ?」


トボ「ちょっとかまかけたに決まってるじゃない」


ツム「最低かよ! 日常の資金稼ぎだけを理由にしているやつが就職面接来たら審査自体考え直せよ」


トボ「君は自分自身を分析してどのような人でありたいと考えますか?」


ツム「そうですね、誰にでも必要とされるけれど当たり前にいるそんな空気のようないないと困る大切な存在でいたいですね」


トボ「君は見えない人だと」


ツム「見える見える、いるよ、ここにいるから! 俺いなかったら一人で面接官ごっこしてるやばい人になっちゃうよ」


トボ「思ったんですけど」


ツム「なによ」


トボ「僕、アドバイス全然してなくないですか?」


ツム「今更かよ! アドバイスする気あったのかよ!」


トボ「もう一回最初からいいですかね」


ツム「いい加減にしろ」



二人「どうもありがとうございましたー」